内乱事件を捜査するチョ・ウンソク特別検察官(特検)チームが6日、尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領の拘束令状を請求した。先月18日に捜査を開始してから18日目に、特検チームの捜査の最頂点にある尹前大統領の身柄確保に乗り出したのだ。特検チームは、再犯の危険性と逃亡の恐れ、証拠隠滅、犯罪の重大性などを拘束理由として提示したことが確認された。拘束令状請求書は計66ページに及ぶという。尹前大統領は3月、裁判所の拘束取り消し決定で釈放されてから4カ月で再拘束の岐路に立たされることになった。 パク・チヨン特検補はこの日午後、記者会見を開き「午後5時20分、尹前大統領に対し、職権乱用権利行使妨害などの容疑でソウル中央地裁に拘束令状を請求した」と述べた。 特検チームは尹前大統領の拘束令状に今年1月、警察・高位公職者犯罪捜査処(公捜処)の逮捕状執行を阻止した疑い(特殊公務執行妨害)、非常戒厳宣布から4日後に関係者の盗聴防止機能付電話(秘話フォン)の通話記録削除を警護処に指示した疑い(警護処法における職権乱用教唆)、事後戒厳宣言文の作成に関与した疑い(虚偽公文書作成)、非常戒厳宣布当時に国務委員の審議・議決権を侵害した疑い(職権乱用)などを適用した。非常戒厳と関連し、警察が国会を封鎖し、軍兵力を国会に進入させることで、国会議決の妨害を図った疑いも含まれた。 先月24日に請求し、棄却された尹前大統領の逮捕状には特殊公務執行妨害と職権乱用教唆の2件の容疑のみ明示したが、今回は容疑を多数追加した。ただし、外患容疑はまだ本格的な調査が進んでいないとして、今回の拘束令状に含まれていない。 これに先立ち、昨年12月3日に非常戒厳令を宣布した後、内乱首謀容疑で捜査を受けた尹前大統領は、公捜処の3度にわたる出頭要求に応じなかった。これに対し、公捜処が逮捕状を裁判所から発付してもらい、今年1月3日に執行に乗り出したが、大統領警護処の反発で逮捕できなかった。その後、1月15日に公捜処の2回目の逮捕状執行でソウル拘置所に拘禁された尹前大統領は、同月17日に公捜処が請求した拘束令状が認められ、2日後の19日に拘束された。公捜処の捜査権問題を指摘した尹前大統領側が2月4日に拘束取り消しを申立て、ソウル中央地裁が3月7日これを認容したことで、尹前大統領は釈放された。 尹前大統領側は特検チームの拘束令状請求直後に発表した立場文で、「特検チームの無理な拘束令状請求を裁判所で疎明する」とし、「特検調査で客観的証拠が提示されたこともなく、関連者らの陳述によっても犯罪が成立しない」と主張した。 クァク・チンサン、キム・ジウン記者 (お問い合わせ [email protected] )