6月28日に施行された改正風営法で、恋愛感情に付け込んで高額な飲食代を支払わせる「色恋営業」が禁止となった。 売掛金(ツケ)で借金を負わせ、返済のために売春などを強要する悪質ホストクラブを念頭に置いた法改正だが、大阪府警は規制逃れでメンズコンセプトカフェ(メンコン)に舞台が移ることを警戒している。 府警は5月、メンコン経営者の男(41)ら9人を風営法違反(無許可営業)容疑で逮捕した。男は韓国アイドル、読者モデル、死者蘇生などがコンセプトのメンコン5店舗を経営。ボックス席で隣に座ったり、カウンター越しに長時間話したりする接待行為をしていた疑いが持たれている。 ホストクラブは風俗営業許可が必要だが、メンコンやボーイズバーは接待行為をせずに営業している場合は飲食店営業に該当し、未成年も入店できる。このため悪質なホストクラブがメンコンやボーイズバーに名称を変えて色恋営業を続け、未成年者にも被害が拡大していくことが懸念されている。 府警は取り締まりを強化しているが、色恋営業は立証が難しいという課題もある。ある幹部は「言葉だけでなく、しぐさでも恋愛感情は伝えることができる」と指摘。店側にそのつもりがなくても客側が色恋営業と受け取ることもあるため、「個別の事案に合わせて捜査していくことになる」と話す。 大阪のあるホストクラブ経営者は「個々に判断が委ねられている印象。改正内容が曖昧で従業員に説明するのに苦労したので、明確な基準を早く示してほしい」と戸惑った様子だった。