〈共演俳優との子どもを妊娠、妻子持ち男性と“ドロ沼不倫”…「グラマー女優ブーム」で売り出された女優が前代未聞の殺人事件を起こすまで〉 から続く 今回取り上げるのは、「現役女優初の殺人事件」と騒がれた1969年の犯罪。 その女優は映画で蛇と絡み合うシーンを演じ名を売ったことから、事件は「蛇女優が愛人を殺害」とセンセーショナルに報じられた。華やかな世界にあこがれ、サクセスストーリーを体現したかに見えた彼女の実像とは、どのようなものだったのか? 当時の新聞記事は見出しはそのまま、本文は適宜書き換え、要約する。文中いまは使われない差別語、不快用語が登場するほか、敬称は省略。女優「M」と被害者「T」は仮名にする。(全3回の3回目/ はじめ から読む) ◇◇◇ 女優Mは悪女役を多く演じてきたが、映画『秘録怪猫伝』では化け猫に取りつかれる役で出演。事件を起こしたのはそのクランクアップ直前だった。 映画の公開をめぐっては大映社内で論議があったが、結局予定通り、事件から6日後の1969年12月20日に正月映画として封切られた。