フィリピンを拠点とした特殊詐欺グループが「ルフィ」などと名乗って強盗などを指示したとされる事件で、強盗致傷幇助(ほうじょ)罪などに問われた小島智信被告(47)の裁判員裁判の公判が15日、東京地裁であった。検察側は、実行役を継続的に確保するなど重要な役割を担ったとして懲役23年を求刑。弁護側は、懲役11年が相当と訴え、結審した。判決は23日。 小島被告は、2022年10月に東京都稲城市の住宅であった現金約3500万円が入った金庫が奪われた事件など三つの強盗事件で、実行役を集める「リクルーター」を務めたとされる。 また、グループによる特殊詐欺に関わったとして詐欺罪でも起訴された。小島被告は起訴内容をいずれも認めていた。 検察側は論告で、一般家庭を標的にしており、悪質だと強調。実行役が逮捕されても、小島被告が新たな実行役を継続的に紹介することで、全国規模の広域強盗が実現した、と指摘した。特殊詐欺でも、組織のナンバー2として「必要不可欠な役割を果たした」とした。 ■弁護側「関与は限定的だ」 弁護側は、小島被告は強盗計画の詳細を知らされておらず、「関与は限定的だ」としたうえで「(実行役の)応募者を別の幹部につなぐ連絡役にすぎない」と述べた。グループ内での地位も数ある部署の一つのリーダーに過ぎないと訴えた。 小島被告は「たくさんの被害者を生んだことを後悔している。申し訳ありませんでした」などと述べた。(森下裕介)