妖しい色気を漂わす菊池風磨の存在感が、際立っていた初回だった。 7月12日（土）にスタートした嵐・櫻井翔主演のサスペンスドラマ『放送局占拠』（日本テレビ系）。2023年1月期放送の『大病院占拠』（同）、2024年1月期放送の『新空港占拠』（同）に続くシリーズ第3弾だ。 『大病院占拠』『新空港占拠』ともに、仮面をかぶった謎の武装集団に巨大施設が占拠されてしまい、櫻井演じる刑事・武蔵三郎が事件解決に奔走するというストーリー。 今回の『放送局占拠』もフォーマットは同じで、東京都知事選を控えて選挙特番を放送していたテレビ局が、妖怪の仮面をかぶった武装集団に占拠されてしまう展開だった。 ■菊池風磨と櫻井翔の意味深すぎるやりとり そんな『占拠』シリーズに毎度出演しているのがtimeleszの菊池風磨。 第1シリーズ『大病院占拠』では、鬼の仮面をかぶった武装集団のリーダー・大和耕一を演じており、いわゆるラスボスとして出演。第2シリーズ『新空港占拠』では、逮捕されて収監されていたはずが、最終話で脱走する姿が描かれていた。 『放送局占拠』では第1話の中盤から本格登場。大和は、なんらかの目的をもって武蔵の義弟の刑事（加藤清史郎）を拉致し、逃亡を続けている。 要するに、菊池演じる大和は、櫻井演じる武蔵にとってシリーズを通しての宿敵とも言えるキャラクター。しかし、今回の『放送局占拠』では、大和と武蔵が仲間となって共闘する可能性もありそうなのだ。 公式サイトに菊池のインタビューが掲載されており、台本を読んだ感想として、次のように語っていた。 《今作を一言でいうなら“裏切りの連続”です。僕にとっては驚きの裏切りだけじゃなくて、うれしい裏切りというか、「ああ、そんなふうに」みたいな。》 そして、今作について、櫻井と話したことはあるかという質問には、次のように語る。 《3作品目というのは一つの節目でもあるので、翔くんからは「せっかくだから何かやれたらいいね」というような話はいただいております。僕もいろいろ考えつつ、せっかくの機会を楽しみたいなと思っています。》 今後の展開を占うにあたり、かなり意味深な言葉なのは間違いない。 さすがに大和と武蔵が固い友情で結ばれた友達になるような展開はないだろうが、両者の利害関係が一致し、武蔵が一時的に警察を裏切るような形で、2人が手を組むといったストーリーなら十分考えられるだろう。 ■前作のときはまだ「Sexy Zone」だった シリーズを通じて劇中の大和の状況もめまぐるしく変わっているが、大和を演じる菊池自身の状況も、第1シリーズのときと比べ、激変している。 2023年1月期の『大病院占拠』での演技が好評を博した菊池は、その後、さまざまなドラマに引っ張りだことなり、2023年10月期には『ゼイチョー ～「払えない」にはワケがある～』（日本テレビ系）で、GP帯（ゴールデン・プライムタイム）の連ドラ初主演を飾った。 それ以外にも、23時台のドラマでは何度も主演するようになり、今年4月公開の映画『』では、Mrs.GREEN APPLEの大森元貴とダブル主演で、映画初主演も果たした。『占拠』シリーズ出演後、俳優としてのステージがどんどん上がっているわけだ。 また、菊地が所属するtimeleszは、2024年3月までSexy Zoneとして活動していた。2011年に5人組でデビューしたSexy Zoneだが、メンバーが3人に減ったタイミングでtimeleszに改名し、新メンバーオーディションを開催。今年2月に5人が新規加入して8人体制となり、大ブレイク中なのだ。 第2シリーズ『新空港占拠』のときはまだSexy Zoneを名乗っており、そのころは菊池自身も、timeleszがここまで人気爆発するとは想像していなかったのではないか。 このように、『占拠』シリーズが始まってからの菊池の人生の激変ぶりも実に興味深い。 ――グループが新生して、いままさに旬のtimelesz・菊池風磨と、来春に嵐の活動終了を予定している櫻井翔。第1シリーズのときと比べて2人への注目度は上がっており、timeleszと嵐の共演作というバリューも間違いなく高騰している。 今夜放送の第2話では、菊池演じる大和の謎の計画が動き出すようなので、見逃せない回になりそうだ。 ●堺屋大地 恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA！』『スゴ得』『IN LIFE』などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』『週刊女性PRIME』『日刊SPA！』などに寄稿中