特殊詐欺グループに約1万5千件の個人情報を販売したなどとして、大阪府警は12日、名簿販売会社「ビジネスプランニング」(東京都中野区)代表の山崎勝美容疑者(75)=東京都練馬区=を電子計算機使用詐欺幇助(ほうじょ)などの疑いで逮捕したと発表した。認否は明らかにしていない。 特殊詐欺捜査課によると、山崎容疑者は名簿が犯罪に使われるおそれがあるとを知りながら昨年11月、15府県の約1万5千件分の名簿を特殊詐欺グループに約18万円で販売し、詐欺行為を助けるなどした疑いがある。 グループは名簿を使い、介護保険料の還付金名目で広島県の60代女性から約250万円をだまし取った疑いがあるという。 山崎容疑者はグループから「60~80代で健康に気を遣っている人の名簿がほしい」と依頼を受け、販売。広島の被害を含む計8件(約800万円)の詐欺被害が確認されているという。 広島の還付金詐欺事件などの捜査から同社が浮上。同社の口座には昨年10月~今年4月、グループから計300万円が入金されているといい、府警は他に名簿が販売されていないか調べている。 同社をめぐっては、個人情報保護委員会が今年5月、不適正な個人情報の販売の中止を求める緊急命令を出していた。(黒田陸離)