神戸市中央区のマンションで２０日夜、女性が男に刺されて死亡した事件で、兵庫県警葺合署捜査本部は２２日、殺人の疑いで、東京都新宿区高田馬場３の会社員谷本将志容疑者（３５）を逮捕した。現場から３８０キロ離れた東京都奥多摩町の山奥で確保。県警は身柄を同署に移し、女性との関係や動機などを調べる。 逮捕容疑は２０日午後７時２２分ごろ、神戸市中央区磯辺通２の９階建てマンションで、６階に住む損害保険会社社員の片山恵さん（２４）の胸などを刃物で複数回刺し、殺害した疑い。 県警によると、住人から「エレベーター内で男が女性を羽交い締めにしている」という１１０番があった。署員が駆けつけると、６階のエレベーター前で片山さんが倒れているのが見つかったという。 片山さんの上半身には、複数の刺し傷や抵抗時にできる防御創が右腕にあった。捜査本部によると、死因は肺の血管が傷つけられたことによる失血死だった。 捜査関係者によると、マンションの防犯カメラには、繁華街がある北方向へ男が逃げ去る様子が写っていた。マンション北側の駐車場では血の付いた刃物も見つかり、県警は男が逃走する途中に捨てた凶器とみている。 捜査本部は、防犯カメラ映像をつなげる「リレー捜査」などで谷本容疑者の行方を追っており、片山さんの殺害に関与した疑いが強まったと判断したとみられる。 県警は、過去に片山さんからトラブルなどの相談は確認されていないとしている。 現場のマンションは、神戸市役所の東約３００メートルのマンションやビルが立ち並ぶ地域。