先月の参議院選挙に立候補した自民党の候補者を当選させようと従業員に投票を呼びかけ、見返りに現金を手渡す約束をしたとして鹿児島市のパチンコ店「モリナガ」の社長ら6人が逮捕されました。警察はモリナガの従業員を含め、あわせて250人以上が投票の約束をしていたと見て捜査しています。 公職選挙法違反の疑いで逮捕されたのは、パチンコ店を運営する「デルパラ」の社長・山本昌範こと李昌範容疑者ら6人です。「デルパラ」は今年1月鹿児島市のパチンコ店「モリナガ」を買収していて、李容疑者はモリナガの社長も務めています。 鹿児島県警など1都7県の合同捜査本部によりますと6人は先月、自民党の比例代表として立候補した、阿部恭久氏への投票をパチンコ店の店長を通じて従業員ら60人に呼びかけ、見返りとして現金3000円や4000円を手渡す約束をした疑いがもたれています。李容疑者らは現金を「残業代」の名目で渡そうとしていたということです。 60人の中にモリナガの従業員は入っていませんが、警察はモリナガも含めた全国の従業員、あわせて250人以上が投票の約束をしていたと見ていて、これは平成以降の国政選挙で最大規模となる見込みです。阿部氏はパチンコ業界団体の理事長を務めていて、警察は阿部氏の陣営から依頼があったかどうかについても慎重に捜査しています。