滋賀県警草津署は4日、栗東市の厩務(きゅうむ)員の男性(31)が、警察官をかたる男から偽造した逮捕状などを見せられ現金約580万円をだまし取られる詐欺被害があったと発表した。 同署によると、男性の携帯電話に8月13日、警視庁の警察官をかたる人物から「あなた名義の口座が山梨県で詐欺に使われ、事件に関与した容疑で逮捕状が出ている」などと電話があり、その後別の警察官や検事をかたる人物と無料通信アプリ「LINE(ライン)」でやり取りをするようになった。その中で実際のものと似た警察手帳や逮捕状のほか、警察が資産を管理・所有するとした「凍結捜査差押許可状」や、他人への相談を妨げる狙いがあるとみられる「特定重大秘密保持誓約書」といった架空の書類の画像を見せられた。その上で「全ての現金を指定口座に送ってもらい、犯人と関わりがないとわかれば返金する」と言われ、男性は23日までに8回に分けて送金した。不審に思った男性が山梨県警に連絡し、詐欺だと気付いた。 草津署は男性のLINEに送られた書類の画像を公開し「警察の捜査でLINEを使うことはなく、インターネットを介して警察手帳や逮捕状などを見せることは絶対にない」と注意を呼び掛けている。【礒野健一】