青森県八戸市内で自身が住むアパートの隣室に放火し、住人女性を殺害したとして、八戸署などは5日、殺人、現住建造物等放火の疑いで、同市新井田後庵、無職の女(51)を逮捕した。県警は裁判員裁判対象事件として認否を明らかにしていない。 逮捕容疑は8月25日午前10時半ごろ、同市新井田後庵の木造2階建てアパート1階3号室に放火し、全焼させて住人の無職女性(81)を焼死により殺害した疑い。 県警捜査1課によると、2人は隣人同士でともに1人暮らし。容疑者の女が女性の部屋に入り、室内から火を放ったという。当時、部屋は無施錠だった。女性は服を着て靴を脱いだ状態で、室内にあおむけで倒れていた。目立った外傷はなかったものの焼損が激しく、DNA鑑定で身元を特定した。 県警は現場状況や司法解剖結果などを踏まえ、放火殺人事件と断定。防犯カメラ映像の解析など所要の捜査を進め、逮捕に至った。 火事は通行人から「建物の窓から煙が出ていて中に炎が見える」との119番通報で発覚。約2時間半後に鎮火した。3号室のほか、上階の一室も全焼した。女は出火直後の警察の聞き取りに対し、放火をほのめかす発言や不審な言動はなかったという。 県警は6日に女を青森地検に送検し、動機や経緯の捜査を進める。