妊娠中に医師の夫が「盗撮犯」に…幸せ絶頂から地獄に突き落とされた妻をさらに傷つけた義両親の「ひとこと」

性犯罪者の家族は社会から激しいバッシングにさらされる。西川口榎本クリニック副院長で精神保健福祉士・社会福祉士の斉藤章佳さんは「『うちの家族に限ってありえない』と思うのが人情だが、ある日突然、加害者家族となる可能性は確実に存在している」という――。 ※本稿は、斉藤章佳『夫が痴漢で逮捕されました 性犯罪と「加害者家族」』(朝日新書)の一部を再編集したものです。 ■あなたが「加害者家族」になる日 日常生活のなかで私たちは、子どもに「あやしい人に声をかけられても、ついていったらダメだよ」と伝えたり、高齢の親に「オレオレ詐欺に引っかからないようにね!」と注意を呼びかけたり、何かと犯罪の被害者にならないことを意識する機会は多いと思います。 それもそのはず、日本全体で見ると、20年前と比べて窃盗、暴行、傷害、詐欺、殺人などを含む広義の刑法犯の認知件数は減少傾向にありますが、特殊詐欺の増加などの影響で「体感治安(主観的に感じる治安の良し悪し)」が悪化しています。 この記事を読む方のなかにも、「うちは大丈夫だろうか……いつか被害に遭わないか心配だな」と感じている方も少なくないでしょう。また、車を運転する際には安全運転を心がけて、自分が交通事故の加害者にならないように気をつけている方も多いでしょう。 そうしたことと比べると、自分の家族が罪を犯す可能性、つまり自分が加害者家族になることに思いを馳せる機会は少ないのではないでしょうか。 ■家族の暴走は誰も止めることができない 「そんな物騒なことは考えたくない」「うちの家族に限ってそんなことはありえない」「うちの家族は大丈夫」――そう思ってしまうのも人情です。しかし、決して脅かすわけではありませんが、私たちが加害者家族となる可能性は確実に存在しています。 たとえば、家族が運転中に交通事故を起こして誰かを死なせてしまったら、その瞬間から私たちは加害者家族になります。また、同居している家族や親戚がなんらかの事件を起こしてしまった場合も同様です。どんなに自分が安全運転に気をつけていても、家族が事故や事件を起こさないことには結びつきません。 ここからは、実際に私が関わってきた加害者とその家族についてのエピソードをご紹介します。当事者のプライバシー保護のため、個人が特定できる情報は変更しています。なお具体的な性加害の描写も出てきますので、ご注意ください。

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