反中集会による騒音や営業妨害で苦しんでいる明洞(ミョンドン)の自営業者たちが、警察に集会の制限を要請した。 明洞観光特区協議会(協議会)は11日午後、ソウル南大門(ナムデムン)警察署に「明洞一帯の路地でのデモの制限」を要請する公文書を送ったことを明かした。協議会は、ソウル中区(チュング)明洞の100人あまりの商店主が集う団体。このかん自由大学などの保守団体は、駐韓中国大使館のある明洞一帯で「中国人追放」、「××」などの中国嫌悪スローガンを叫びながら行進し、同地域の商店主や観光客と摩擦を引き起こしてきた。 協議会は「明洞はソウルを訪れる外国人観光客の85.9%が訪問し、夜間には狭い路地に180の屋台が設置される」として「狭い道を200~500人あまりのデモ隊が同時に通るため事故発生が懸念されるうえ、デモ中に特定の国の観光客を標的として暴言を吐くため、観光客に恐怖を抱かせるとともに国の格を落としている」と指摘した。 そして協議会は「集会および示威に関する法律(集示法)」上の特定国の観光客に対する言語による暴力(5条、8条)▽日没後のデモ行為の禁止(10条)▽群衆密集地域でのデモによる事故の懸念(12条)を理由として、警察に明洞近隣の6区間の路地での集会の禁止を要請した。集示法5条と8条は公共の安寧秩序を脅かす集会を、12条は大統領令で定めた主要道路の円滑な交通の確保のために集会を制限できると規定している。ただし、協議会が集会制限を要請した道路は主要道路ではない。 自営業者たちは、中国人観光客が多く訪れる明洞では、反中集会による営業への被害が大きいと訴えた。明洞の路地の露店主の団体「明洞福祉会」のイ・ガンス総務はこの日、ハンギョレに「数百人が集団で中国を蔑視するため、中華圏はもちろん非中華圏の外国人も怖がってよける。今月末から中国人観光客はノービザで入国できるようになるので期待しているが、度を超す集会のせいで来ないのではないかと心配」と話した。 協議会は、明洞の商店主たちの署名した陳情書を警察に提出する予定だ。商店への被害が続く場合は、自由大学などの集会主催者に対する民・刑事上の対応も検討している。 警察は明洞一帯の反中集会に対する制限措置を検討しているが、集会禁止や現行犯逮捕などの強硬対応は容易ではない。警察の関係者は「集示法では、営業妨害を理由に集会を制限することはできない。それらの集会に集示法5条が適用できるかは検討が必要だ」とし、「今後、集会を管理する際には公文書の内容を参考にする」と述べた。 李在明(イ・ジェミョン)大統領は9日にソウル龍山(ヨンサン)の大統領室で主宰した国務会議で、「(明洞集会の参加者が)特定の国の観光客を侮辱する集会をおこなっている」、「あれのどこが表現の自由なのか。騒乱だろ」と指摘し、国務委員に解決策を探るよう求めている。 チャン・ジョンウ記者 (お問い合わせ [email protected] )