エジプト内務省は18日、首都カイロのエジプト考古学博物館に所蔵されていた約3000年前の金の腕輪を盗んだとして、博物館に勤務する修復専門家の女性を逮捕したと発表した。腕輪は国内で売却され、すでに溶解されたという。 内務省や観光・考古省によると、盗まれた腕輪は、古代エジプト第21王朝(紀元前1069~同945年ごろ)のファラオ(王)として在位していたアメンエムオペトのもので、青い鉱石ラピスラズリで装飾が施されていた。 女性は今月9日、博物館から腕輪を持ち出し、知人の貴金属店主を通じて金細工業者に18万エジプトポンド(約54万円)で売却した疑いが持たれている。腕輪はその後転売され、金の鋳造所で再利用するために溶かされた。地元警察は売却にかかわった貴金属店主ら3人も逮捕した。 考古学博物館は人気の観光名所の一つで、ツタンカーメン王の黄金のマスクを展示していることで知られている。なお、ツタンカーメンの関連収蔵品は、11月にカイロ近郊で開館予定の大エジプト博物館に移送される。【カイロ金子淳】