長野4人殺害 34歳被告に死刑求刑 「類を見ないほど悪質」

長野県中野市で住民女性と警察官の計4人が殺害された事件で、殺人と銃刀法違反の罪に問われた同市の農業、青木政憲被告(34)の裁判員裁判の論告求刑公判が24日、長野地裁(坂田正史裁判長)であり、検察側は「尊い命を奪った結果は重大で、類を見ないほど悪質。刑事責任は極めて重大」として死刑を求刑した。26日の弁護側最終弁論で結審し、10月14日に判決が言い渡される。 検察側は論告で、青木被告は女性2人から「(独り)ぼっち」「キモい」などと悪口を言われていると思い込み、警察官についても「逮捕される」と考え、殺害したと指摘。青木被告は精神疾患を患っていたものの、事件当時の行動は合理的で刑事責任能力はあったとして、「一切謝罪をせず、反省は見て取ることはできない」と主張した。 起訴状などによると、青木被告は2023年5月25日、自宅近くを散歩していた竹内靖子さん(当時70歳)と村上幸枝さん(同66歳)の女性2人をナイフで刺して殺害。パトカーで駆け付けた県警中野署の池内卓夫警部(同61歳)と玉井良樹警視(同46歳)=いずれも2階級特進=を狩猟用ハーフライフル銃を発射するなどして殺害したとされる。 これまでの公判では青木被告の責任能力と量刑が争点となり、弁護側は「統合失調症が再発、悪化した状態で善悪の判断力などが著しく低下した心神耗弱の状態だった」と主張。青木被告自身は黙秘を続けている。【鈴木英世】

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