【AFP=時事】欧州連合(EU)におけるイスラエルの主要パートナーであるギリシャのキリアコス・ミツォタキス首相は26日、イスラエルがパレスチナ自治区ガザ地区における破壊的な戦争によって、残りの友好国を失うリスクを冒していると警告した。 中道右派のミツォタキス氏は国連総会で演説し、2023年10月7日のイスラム組織ハマスによる攻撃を受けたイスラエルには自衛権があるが、「何千人もの子どもたちの死を正当化することはできない」と指摘。 「ギリシャはイスラエルと戦略的パートナーシップを維持しているが、だからといって率直に発言できないわけではない」「このような行動を続ければ、最終的にはイスラエル自身の国益を損ない、国際社会からの支持を失うことにもつながる」と述べた。 さらに、「私はイスラエルの友人たちにこう伝えている。イスラエルとパレスチナが平和的に共存する2国家解決の可能性を打ち砕く道を進み続けるなら、残りの同盟国すべてを失うリスクがある」と続けた。 ギリシャは、イスラエルへの憤りを表明しパレスチナを国家承認した英仏などの欧州諸国に同調していない。 イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は26日の国連演説で、西側諸国の指導者たちが反ユダヤ主義をあおっていると激しく非難したが、国際刑事裁判所(ICC)から逮捕状が出ているため、ニューヨークへ迂回(うかい)して向かう道中、ギリシャ上空を飛行した。 ギリシャは、昨年12月にバッシャール・アサド大統領が失脚して以来、シリアで急速に影響力を拡大しているトルコとの緊張関係から、イスラエルと利害関係が一致している。 だが、イスラエルはギリシャ国内でも広く批判されており、左派のアレクシス・チプラス前首相は、パレスチナの国家承認を強く求めている。【翻訳編集】 AFPBB News