ノーベル平和賞の予想に定評がある国際平和研究所(ノルウェー)は18日、グレーガー所長による今年の受賞予想を発表した。 グレーガー氏は5団体を有力候補として列挙。記者への弾圧を調査する米非営利団体「ジャーナリスト保護委員会」(CPJ)を最初に挙げ、受賞は「記者が情報を伝えられなくなれば平和と民主主義は危機にひんする」とのメッセージになると指摘した。 グレーガー氏は国際司法裁判所(ICJ)と国際刑事裁判所(ICC)も挙げ、「国際的な規範に違反した者の責任を追及する役割を果たした」と評価した。ICJはイスラエルにジェノサイド(集団殺害)を防ぐ措置を命じ、ICCはイスラエルやロシアの首脳に戦争犯罪容疑などで逮捕状を出した。 内戦が続くアフリカ北東部スーダンのボランティア団体「緊急対応室」や、欧州安全保障協力機構(OSCE)の民主制度・人権事務所(ODIHR)もリストに入った。 「7つの戦争を終わらせた」と主張し、平和賞受賞を望んでいるトランプ米大統領について、多くの専門家は有力候補とは見ていない。グレーガー氏はロイター通信に対し、トランプ氏が地球温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」から離脱したことや各国に高関税を発動したことを挙げ、「平和の促進に関心のある人物の姿ではない」と述べた。