40歳以上年の離れた部下の女性に、出張先のホテルでわいせつな行為をしたとして不同意わいせつ罪に問われている70代の元公務員の男に、29日、長崎地裁は懲役2年・執行猶予4年の有罪判決を言い渡しました。 判決を受けたのは、逮捕当時、長崎県松浦市のスポーツ推進委員協議会会長だった77歳の男です。 起訴状などによりますと、男はことし1月25日午前0時過ぎ、出張先の熊本市のホテルで30代の部下の女性をベッドに押し倒し、胸をもんでキスしたほか、馬乗りになってキスをしたり胸をもんだりなめたりするなどのわいせつな行為をしたとされています。 29日に開かれた公判で長崎地裁の太田寅彦裁判官は、仕事上、被告が被害者より優位な立場にあったことを指摘した上で、 「要求を断れない立場を利用して犯行に及んでおり卑劣かつ悪質、犯行態様は執拗かつハレンチで被害者の尊厳を踏みにじるものだ」 「犯行後も悪びれもせず口止めをしたことなど厳しい批判に値する」などと述べ「実刑判決も考えられる」としました。 一方で、被害者との間で示談が成立し既に示談金が支払われていることや、被告が公務員の職を辞職し一定の社会的制裁を受けていることなどを考慮し、「今回に限り社会内での更生の機会を与えることが相当と判断した」として、懲役2年・執行猶予4年の有罪判決を言い渡しました。 言い渡し後、裁判官は「実刑でもおかしくないと思っていますが、考慮の上今回は執行猶予付きの有罪判決としました。あなたがしたことで被害者やその家族が受けた苦痛をしっかり受け止めないといけない」などと語りかけました。 スーツ姿でうつむいて判決を聞いていた被告は、前を向いて「はい」と小さく答えました。 裁判の詳細は、下記の関連記事から読むことができます。 【詳しく読む】「昨日の続きがしたい」部下への不同意わいせつ罪 77歳元保護司の卑劣な口止め電話