サントリーホールディングス(HD)会長を辞任してから約1か月。新浪剛史氏は2025年9月30日、経済同友会の代表幹事も辞任した。この日開かれた同友会の理事会では、代表幹事を継続するべきかどうかをめぐって意見が真っ二つに割れたという。カリスマ的人気の高かった新浪氏に対して、続投に異を唱える声が、予想以上に大きかったことを示している。 ■世間の評判で同友会の発言力が落ちることを危惧 この雰囲気を受けて、新浪氏は自ら「分裂を避けたい」と申し出たという。一般的には、サントリーHDを辞めた以上、同友会のトップも辞めるべきだという考えが主流だが、同友会は企業ではなく、個人で加盟するという独特の形態で、この問題を長引かせ、難しくしたとみられる。 この日、新浪氏と岩井睦雄・筆頭副代表幹事が、東京都内のホテルで会見した。岩井氏によると、新浪氏は違法性が疑われるサプリをめぐって警察当局の捜査対象となったが、容疑そのものが理事会で大きな議論になることはなかったという。それよりも、この1か月間、別件で新浪氏の個人的な資質を問う報道もあり、レピュテーション(世間の評判)などで同友会の発信力の力が弱まることが懸念されたという。