ライアンエアー機内で、乗客の奇妙な行動が原因で大騒動となった。イタリア・ミラノ発イギリス・ロンドン行きの便が、乗客2人がパスポートを不可解に処分しようとしたことからパニックが広がり、緊急着陸を余儀なくされたのだ。最終的に2人は警察に逮捕され、乗客たちは恐怖の時間を過ごした。 米「ニューヨーク・ポスト」紙によると、事件は離陸から20分ほど経過しシートベルトサインが消えた直後に発生した。前方に座っていた2人の男性が不審な行動を見せ、客室乗務員の制止にも応じず、機内は緊張感に包まれた。乗客の証言によると、逮捕された男性の1人は自らのパスポートのページを破り取り、それを口に入れて食べ始めたという。機内の人々はその光景に「完全にパニック状態」になった。 一方、その仲間は機体の反対側に走り、今度はパスポートを機内トイレに流そうと試みた。乗務員は緊迫した口調で機内アナウンスをおこない、さらに不安が広がったという。 事態を受け、機長はフランス・パリへの緊急着陸を決断。到着後、フランス当局が機内に入り、2人を拘束し荷物を徹底的に検査した。この対応には約2時間を要したが、その後機体は再びロンドン・スタンステッド空港へ向かった。目撃者は「15分間の降下は人生で最も恐ろしい時間だった」と振り返りつつも、冷静に対応したライアンエアーの乗務員を称賛した。なお、2人がパスポートを処分しようとした理由は依然として不明だという。