カンボジア北西部・ポイペトを拠点とした特殊詐欺事件で、愛知県警など6県警の合同捜査本部は1日、組織犯罪処罰法違反(組織的詐欺)容疑で19~52歳の日本人の男女29人を再逮捕したと発表した。逮捕は3回目。認否は明らかにしていない。 捜査本部によると、29人は5月26~27日、現地から警察官などをかたり愛知県知多市の会社員男性(48)に「マネーロンダリング(資金洗浄)事件に関与している嫌疑がある。現金を預かって金の流れを調べる必要がある」とうその電話をかけ、現金500万円を振り込ませてだまし取った疑いがある。 容疑者らは1人部屋での生活だったが、詐欺の実績に応じ部屋が広くなる「特典」があった。一方、成果が振るわなければライターで耳を焼かれたり、爪をはがされたりし、長時間走らされるペナルティーもあった。 ホワイトボードで進捗(しんちょく)が管理されて競わされ、実績が低ければ電話の回数や詐取額にノルマが課されることもあったという。捜査本部は、実態を考慮し、詐欺より量刑が重い組処法違反の組織的詐欺を適用した。(高橋俊成、野口駿)