不動産会社「あすか地所」(東京都品川区)から不正に顧客情報を持ち出したなどとして、警視庁大崎署は、不正競争防止法違反の疑いで、別の不動産会社役員の礒辺和希容疑者(32)=東京都港区三田=ら3人を逮捕した。大崎署は不正に得た情報を使って、3人が多額の利益を得たとみて捜査している。 ほかに逮捕されたのは、礒辺容疑者の会社の従業員、斎藤翼容疑者(30)=世田谷区弦巻=と会社員、後藤良太容疑者(33)=渋谷区恵比寿。 3人はあすか地所の元同僚で、礒辺容疑者は令和2年3月に独立して不動産会社を設立し、斎藤容疑者も転職。後藤容疑者はあすか地所にとどまり、礒辺容疑者の依頼で社内の顧客情報を記録媒体にコピーし、SNSで共有していた。その後、後藤容疑者も退職した。 礒辺容疑者らの逮捕容疑は、昨年4月~今年1月ごろ、後藤容疑者が不正に持ち出したあすか地所の顧客の氏名や住所、連絡先などが含まれたエクセルデータを、営業に利用したとしている。 同署によると、持ち出されたデータは5年ほどで計約1万5千件にのぼり、情報をもとに得た収益のうち、約3千万円が後藤容疑者に支払われていたとみられる。