多くの野良猫が暮らし「猫の楽園」として知られる地中海の島国マルタで今年8月、猫を相次いで虐待して殺したとして日本人の男(31)が逮捕・起訴される事件があり、現地の人の怒りを買っている。9月30日に開かれた論告求刑公判で検察側は、男が猫を「カネ目当ての女性」に例えたと明らかにした。現地紙タイムズ・オブ・マルタなどが報じた。 マルタ島北東部スリーマで7月、少なくとも5匹の猫が切断されるなどして殺されているのが見つかり、何者かが猫を地面に激しくたたき付ける様子が防犯カメラに残されていた。8月1日、猫をおびき寄せるための餌を持っていた男を警察官2人が職務質問したところ、抵抗して警察官にけがを負わせたため逮捕。その後の捜査で、男が多くの野良猫を虐待して殺していたことが分かった。 男は日本から渡航してオンラインカジノで働いていた。公判で検察側は「猫はカネ目当ての女性と同じだ。餌を与えないとなでさせない」などと猫を憎む供述内容を紹介した。 現地では男を厳罰に処すよう求めるオンライン署名が行われる一方、在留日本人たちは贖罪のため1万2000ユーロ(約200万円)の募金を集め、動物愛護団体に寄付した。 検察側は懲役2年を求刑。弁護側は執行猶予を求めた。判決は今月14日に言い渡される。