ロシア「影の船団」とみられるタンカーを拿捕 仏当局、乗員2人を逮捕 デンマークのドローン事件との関連も捜査へ

フランス当局は2日、ウクライナ侵攻後に科された国際制裁に違反して、ロシアが石油・武器・穀物の輸送に使用しているいわゆる「影の船団」に関与している疑いのあるタンカーの船長と一等航海士を逮捕したと発表した。この船は9月下旬にデンマークの複数の空港にドローンが飛来した際、同国沿岸にいたことが分かっており、当局は事件との関連についても調べを進めるものとみられる。 この船は制裁の対象となっており、仏海軍が乗り込んだ。船舶の位置情報を提供する「マリントラフィック」などによると、この「ボラカイ号」は9月22日、デンマークにドローンが出現し、コペンハーゲンの空港が閉鎖された際、同市の南約90キロの海上にいた。24日夜にもデンマーク西部の複数の空港で同様の目撃が相次いだが、同じころこの船は同国西部沿岸を南下していた。 フランスの検察は声明で、船籍証明の不提示および命令不服従の疑いで乗組員2人を訴追し、拘留が延長されたことを明らかにした。 ウクライナ侵攻後に科された国際制裁に違反して、ロシアが石油・武器・穀物の輸送に使用している「影の船団」は600―1000隻あると推計されている。マリントラフィックによれば、ボラカイ号は9月20日に、ロシア・プリモルスク港を出航。同船は英国及びEUの制裁対象となっている。 フランスおよびデンマーク当局は、今回の捜査がドローン事件と関連しているか、コメントを控えている。 フランスのマクロン大統領は2日、デンマークの事件の解明は重要だとの認識を示した。また影の船団について、ロシアの重要な資金源となっており、圧力をかけるべきだと述べた。 ロシア大統領府のペスコフ報道官は1日、この船に関する情報は持ち合わせていないとする一方、ロシア軍は外国が「挑発的行動」をとった場合には秩序回復のために行動する必要があると述べた。

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