2022年に大分県別府市で発生した男子大学生死亡ひき逃げ事件で、重要指名手配中の八田與一容疑者(29)に関する情報提供が、9月末までにおよそ1万1300件に上っていることが分かりました。また、11月は全国指名手配被疑者捜査強化月間となっていて、警察は追跡捜査に総力を挙げる方針です。 ■11月は指名手配被疑者捜査強化月間 県警によりますと、9月末時点で寄せられた情報提供は累計で1万1292件に上り、9月だけでは233件の情報が寄せられています。 このうち、「八田に似ている男を見た」など、八田與一容疑者に似た者の目撃情報は、1万653件にのぼっています。 <地域別> 関東:3988件 九州:1400件 近畿:1401件 大分県内:642件 そのほかの地域:2210件 また、インターネット上の動画や画像などに関する情報は1012件です。 警察庁は11月を指名手配被疑者の捜査強化月間として、活動を強化することにしています。大分県警は、事件現場に近いJR別府駅や商業施設などで八田容疑者の顔写真を掲載したチラシを配り、改めて情報提供を呼びかける予定です。 県警捜査1課の松尾茂郎次席は「1日でも早い検挙のため、ささいなことでも構わないので情報提供をお願いします」と協力を呼びかけています。 ■八田容疑者は今どこに?懸賞金800万円 大学生死亡ひき逃げ事件は3年前、2022年6月29日に別府市の県道で発生したもので、八田與一容疑者(29)は赤信号で停車中のバイクに軽乗用車で追突し、大学生2人を死傷させ、現場から逃走した疑いが持たれています。 事件直前には、八田容疑者と亡くなった大学生との間でトラブルがあったこともわかっています。制限速度を大幅に超えて追突した凶悪性などから、警察庁は事件の翌年、2023年9月八田容疑者をひき逃げ容疑では全国初の重要指名手配に指定、県警は今年6月、殺人と殺人未遂の容疑で新たに逮捕状を取りました。 事件は捜査特別報奨金の対象になり、今年9月には報奨金の受け付け期間をさらに1年間延長することを決めました。有力な情報提供者には公的懸賞金として300万円が支払われ、遺族による私的懸賞金500万円も含めると上限額は800万円となります。