大麻を所持したとして大麻取締法違反の罪に問われ、名古屋地裁の差し戻し審で有罪判決を受けた被告の男性(47)について、名古屋高裁は10日までに「大麻の押収手続きに重大な違法があり証拠能力が認められない」として地裁判決を破棄し、無罪を言い渡した。9日付。 判決によると、男性は2023年3月、名古屋市内のコンビニ駐車場で職務質問を受けた際、警察官を転倒させたとする公務執行妨害の疑いで現行犯逮捕された。その後、覚醒剤を念頭に置いた捜索差し押さえ許可状によって、男性の車内にあったポーチから大麻が押収された。 高裁の松田俊哉裁判長は判決理由で「令状主義を軽視する姿勢が否めず著しく不当だ」と指摘。有罪とした地裁の訴訟手続きには法令違反があると認定した。 差し戻し前の地裁は有罪判決を言い渡したが、控訴審で差し戻された。今年6月に差し戻し後の地裁が再び有罪とし、懲役6月、執行猶予3年の判決を言い渡していた。