敷地外から米軍基地撮影 米兵が基地内で30分聴取、画像消去を要求

米軍岩国基地(山口県岩国市)を敷地外から撮影した20代の男性が、直後に米兵から基地内に呼ばれ、写真の消去と顔写真を撮影されたと訴えている。米軍側は取材に対し、一般論として、「軍事施設の撮影行為は、敵対勢力による情報収集の疑いを払拭(ふっしょく)するため職務質問の対象になる」などと説明している。 男性によると、9月28日朝、旅行で立ち寄った基地正門近くの道路から看板や米国旗などを撮影した際、米兵に基地内の正門詰め所に呼ばれた。米兵ら3人から30分ほどの間に顔写真の撮影や運転免許証の提示、撮影した写真の確認と消去を求められたという。 防衛省中国四国防衛局が米軍側に問い合わせたところ、今回の事案には言及せずに、「保安上の理由から質問などの対象になることがあり、ご理解いただきたい」などの説明を受けたという。防衛局によると、日米地位協定の合意議事録で「施設区域の近傍で当該施設や区域の安全に対する犯罪の既遂または未遂の現行犯にかかるものを令状なしで逮捕できる」と規定しているという。 防衛局は取材に「在日米軍は公共の安全に妥当な配慮を払って活動する必要があり、住民に無用な不安を与えないよう引き続き必要な意思疎通を行っていく」とコメントした。 男性は「何をされるか分からないため素直に従ったが、半ば強引にプライバシーの配慮もなく容疑者のように不当な扱いを受けた。防衛省はこうしたリスクを周知すべきだ」などと話している。

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