「本当のことを話してほしい」逮捕者6人の関係性が明らかに…死体遺棄事件に発展する前に2人の間に何が

■西村さんの婚約者という女性「つらかったろうなと思う。生き埋めにされたのか、殺してから埋めたのかどっちかわからないのでどっちなんだろうと…」 9月19日、北海道むかわ町の空き地で、土の中から男性の遺体が見つかりました。被害にあったのは札幌市内の路上で切り付けられたあと、行方不明になっていた西村隆行さん55歳でした。男性を遺棄した疑いで逮捕されたのは知人の大上文彦容疑者49歳。そして一連の事件に関与したとして逮捕されたのは、すでに釈放された男も含め6人。それぞれの関係性は…。そして動機は…。むかわ町死体遺棄事件を検証します。 《最初の事件 そして仕返しが》 西村さんと大上容疑者のトラブルが明らかになった最初の事件は今年6月25日。西村さんの勤務先の敷地内で西村さんの顔を殴ってけがをさせたとして、大上容疑者はその後、傷害の疑いで逮捕されました。 ■西村さんの元勤務先関係者「西村さんは大上容疑者のことを『悪い奴だ』だ。と言っていた」 ■西村さんの婚約者という女性「大上の方がその時は負けたんですよ。その仕返しで…」 そして8月2日。札幌市白石区の路上で大上容疑者と西村さんがまたトラブルとなります。大上容疑者は西村さんを包丁で切り付けたとされ、このあと、けがをした西村さんの行方がわからなくなりました。この事件でも大上容疑者は傷害の疑いで逮捕されました。また西村さんと大上容疑者の共通の知人である渡邊斉容疑者(68)と齊藤朋世容疑者(52)の2人が、大上容疑者が犯行に使った包丁を隠したなどとして証拠隠滅の疑いで逮捕されました。 《8月2日夜の現場の状況》 渡邊容疑者の自宅にいた齊藤容疑者が何らかの理由で西村さんに助けを求める電話をかけます。西村さんが渡邊容疑者の家を訪れたところ、その場にいた大上容疑者とトラブルに発展します。大上容疑者は渡邊容疑者の自宅前の路上で、西村さんを渡邊容疑者の家にあった包丁で切り付けます。その後、けがをした西村さんは大上容疑者車の車に乗せられ、行方がわからなくなったのです。西村さんの婚約者だという女性は、西村さんと連絡が取れなくなった数日後に大上容疑者と電話をしていました。 ■大上容疑者とみられる男の電話の声「ケンカになったからね。そのまますぐ病院行こうとすぐ車を発進させた」 ■婚約者という女性「本人(西村さん)との連絡は取れないってことですね?」 ■大上容疑者とみられる男「取れないです。携帯電話は自分で捨てさせました。なんともない状態で一応船に乗せています」 ■婚約者という女性「大上容疑者の電話番号をゲットしたから(西村さんの)居場所を聞きたかったが、居場所が分からなかった。大上容疑者は最初病院だって言っていたが、病院には全然いなくて…」 《行方不明から約1カ月半後》 ■坂元優太カメラマン「続々と警察車両が集まってきました。中にはショベルカーでしょうか、重機のようなものも見えます」 9月19日。むかわ町旭岡。山あいの空地に向かって、捜査車両が次々と集まる様子をHTBのカメラが捉えていました。捜索開始からおよそ6時間半後…。 ■大原麻潤記者「ショベルカーで穴を掘っていたあたりに、白い防護服を着た捜査員らが集まってきました。何か見つかったのでしょうか写真を撮っている様子もあります」 深さ4メートルほどの土の中から見つかったのは、西村さんの遺体でした。死因は「出血性ショック」。大上容疑者は西村さんの遺体を埋めた死体遺棄の疑いで3回目の逮捕となりました。西村さんの遺体は大上容疑者に切り付けられた数時間後の8月3日未明に埋められたとみられています。大上容疑者と共謀して遺体を埋めたとして安田和輝容疑者(36)と岡崎勇貴容疑者(37)。そしてすでに釈放されて在宅捜査となっている36歳の男性の3人も逮捕されました。36歳の男性は、現場にあったこの黄色いショベルカーで穴を掘り、西村さんの遺体を埋めたと見られています。 《6人の関係性は…》 一連の事件で逮捕されたのは6人。その関係性が少しずつ明らかになってきました。捜査本部は携帯電話の通信記録などから、大上容疑者が「兄弟のような関係」だという安田容疑者に遺体の遺棄などを相談。相談をうけた安田容疑者は中学の先輩の岡崎容疑者に場所や方法を指示。その後、岡崎容疑者は知人の36歳の男性に実行を依頼したとみて捜査しています。また死体遺棄の疑いが持たれている4人のうち大上容疑者を除く3人は西村さんと面識はなく、証拠隠滅の疑いで逮捕されている2人とも面識がないことが新たにわかりました。西村さんが遺体でみつかった場所はどんな場所なのか。私たちは、死体遺棄の場所や方法を決めたとみられる安田容疑者の地元・苫小牧市で取材を重ねました。登記簿などによると、西村さんの遺体が見つかった場所は、安田容疑者の親族の木材会社が所有する土地であることがわかっています。さらに、安田容疑者は死体遺棄事件の前に、この場所を訪れていた事が明らかになりました。安田容疑者を知る男性は「安田容疑者は木材の販売などで親族の仕事を手伝っていたんだ。あの場所が空き地でショベルカーが置いてあることも知っていたはず」と話しました。安田容疑者のものとみられるSNSには、5月に西村さんの遺棄現場周辺とみられる山中を映した動画が投稿されていました。安田容疑者は土地勘のあるこの場所を選んだのでしょうか。 《事件はどのような展開になるのか》 ■元検事で刑事事件に詳しい中村弁護士「刃物を使って出血性ショックで亡くなっているということは身体の枢要部を攻撃したことが疑われますので殺人での起訴を視野に入れながら進めるべき事案。ただ遺体の状況から殺意を立証できないとなれば傷害致死罪での再逮捕あるいは起訴という展開もある」 ■西村さんの婚約者という女性「大上容疑者には本当のことをしゃべってほしい。嘘偽りなく供述してほしいです」

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