「最低なあなたに最低な俺で応える」 今治ピアノ教師殺人事件初公判【愛媛】

肩下まで延びた髪で顔を隠すように法廷に入ってきた榊原正道被告35歳。 起訴状などによりますと、榊原被告は2024年1月26日午後5時ごろ、今治市松本町の住宅に侵入し、この家に住むピアノ教師の冨田小雪さん当時64歳の首を包丁で複数回切りつけて殺害。 その後、この家を訪れたピアノ教室の男子中学生に対し、手足を結束バンドで縛るなどして、全治3日のけがをさせました。 さらに殺害現場を後にした榊原被告が自宅近くの路上で冨田さんの次女に対し、「お前のお母さんから裁判で訴えると言われている」などと言って車で連行。 脱出や外部との連絡を困難にさせて監禁したなどとして、殺人や逮捕致傷など6つの罪に問われています。 15日、事件発生から約1年9カ月を経て、松山地裁で行われた裁判員裁判での初公判。 榊原被告は、冨田さんの殺害について「殺意を持って切りつけるというのはちがうと思う」などと殺意を否認し、次女への監禁についても「違うと思う」と述べるなど、起訴内容を一部否認しました。 続く冒頭陳述で、検察側は榊原被告が次女との交際関係のもつれから冨田さんや次女に怒りを募らせ、「最低なあなたに最低な俺で応える」などと犯行を決意し、事前に包丁などの道具を購入するなど準備をして犯行に臨んだと明かしました。 さらに冨田さんの不在中に家に侵入し、帰宅した冨田さんの首を締め、殺意を持って複数回首を切りつけたと指摘。 次女の監禁についても、車にチャイルドロックをかけ、後部座席を見えない状態にし、無理やり連れまわしたなどと述べました。 一方、弁護側は、冨田さんの次女には榊原被告と一緒にいたいという意思があったとして、榊原被告が無理やり連れまわしたわけではないと主張。 周囲に交際を反対された次女が、別れを告げてきたことに怒りを募らせた榊原被告は、冨田さん家族を怖がらせる必要があると考え、包丁を用意して会いに行ったとしました。 16日は次女の証人尋問が行われ、27日に結審、31日に判決が言い渡される予定です。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする