神戸の高2刺殺、被告の実刑確定へ 10年以上捜査難航、動いた事件

神戸市で2010年、高校2年の堤将太さん(当時16)を殺害したとして、殺人罪に問われた当時17歳だった被告の男(32)の上告審で、最高裁第二小法廷(岡村和美裁判長)は、14日付の決定で被告側の上告を棄却した。被告を懲役18年とした一審・神戸地裁判決が確定する。裁判官4人全員一致の意見。 一審判決によると、被告は10年10月、神戸市北区の路上で、面識がない堤さんの首などをナイフで複数回突き刺して失血死させた。 裁判で弁護側は、事件当時の被告は善悪を判断する力などが著しく低い「心神耗弱」の状態で、刑を軽くすべきだと訴えた。だが、一審判決は精神鑑定の結果などから精神障害はなかったとし、被告が少年だった点を踏まえても懲役18年が妥当だとした。二審・大阪高裁も支持した。 第二小法廷は決定で、上告理由にあたる憲法違反などがない、とだけ判断した。 事件は、発生から10年以上にわたって捜査が難航し、「コールドケース」(長期未解決事件)と呼ばれた。兵庫県警は20年、「人を殺したことがあると周囲に語る人物がいる」という情報を入手。被告の関与が浮かび、21年に殺人容疑で逮捕した。(米田優人)

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