富山県内の若者にも…深刻化する薬物問題

先月、県内の10代や20代の若者グループが、大麻や覚醒剤などを販売・所持していたなどとして逮捕された事件。 密売人の中には高校生も含まれていました。 所持や使用に加え、販売にも手を染めるなど、県内では若者の薬物問題が深刻化しています。 大平記者のリポートです。 植物が壁を覆う、古びた建物。 警察は黒部市のこの家屋から大麻137グラムをはじめ、合成麻薬のMDMAや覚せい剤を含む錠剤などを押収しました。 また、富山市の倉庫からも大量の薬物を押収しました。 これらの建物は薬物の保管・販売の拠点とみられていて、密売していたのは若者グループでした。 この事件では、富山市堀の無職・小沢亜瑠容疑者(21)をはじめ、10代や20代の若者たちが大麻などを所持し、組織的に密売していた疑いで逮捕されました。 金銭目的とみられ、密売人の中には高校生も含まれていたということです。 県警察本部組織犯罪対策課 横山武彦次席 「今回の事件もそうですけど、使用だけではなくて密売のほうにも手を染めてしまった。どんどん低年齢化が進んでいるというふうにみています」 こちらは県内で薬物に関する事件で検挙された人数です。 2020年は全体で62人で、うち10代と20代の若者は24人と、全体の4割程度を占めていました。 しかし去年は全体の80人のうち、10代と20代が45人と6割近くに増加。 そのうち10代は19人に上りました。 若者による薬物事件が増加している状況です。 増加する10代の摘発。薬物を身近に感じるか、富山駅で高校生に聞きました。 男子 「僕の周りでしている子はいました。(薬物を)使っている人はいましたね」 女子 「他校の運動部で、薬流行っているみたいなのは聞いたことあります。身近に迫っているんだなって感じるので、怖いなって思います」 若者に薬物がまん延しています。比較的安価な大麻などは、入手しやすくなっているといいます。 県警察本部組織犯罪対策課 横山次席 「持っているスマホ1台で、薬物のやりとりができてしまうという状況に今なっているというところですから、過去と比較しても比較的(薬物を)手に入れやすくなっている状況になっているんではないかと思います」 こちらは、SNSへの投稿です。薬物は隠語を使って取引されることが多く、野菜・ブロッコリーは大麻、×は合成麻薬のMDMA、はちみつは大麻リキッドの隠語とされています。 手押しは手渡しを意味し、投稿は、手渡しで販売できることを示しています。 今回の県内の若者グループの摘発もこうしたSNSから、通信記録が残らないテレグラムなどのアプリに誘導していくケースとみられています。 県内で初めてとなった若者中心の密売グループの摘発。 警察は匿名・流動型の犯罪グループ=トクリュウとみて暴力団などへの金の流れを調べています。 県警察本部組織犯罪対策課 横山次席 「手を染めてしまったら、手を出してしまったら本当にそれで終わりと思って危険なものですので、興味があったり友達に勧められても、手を出さないというのが大事なことだと思います」 薬物に手を出すと取り返しがつかなくなる危険があることを、しっかり理解する必要があります。 また、友人関係や生活の悩みから若者が薬物に手を出すケースがあります。 変わった様子がないか、周りの大人が気にかけて寄り添うことが重要です。

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