不正改造アウディなどの車検通し収賄容疑、整備会社元代表を書類送検

不正な改造車の車検を通す見返りに現金を受け取ったとして、大阪府警は20日、自動車整備会社「古市モータース」(大阪府羽曳野市)の大黒孝夫元代表(59)=大阪府富田林市=を加重収賄容疑で書類送検した。 捜査関係者への取材でわかった。 また不正車検を依頼した車の所有者や、元代表と所有者との仲介者ら40~50代の男計5人も贈賄容疑で書類送検した。 同社は国土交通省の指定を受けた民間車検場で、道路運送車両法はここで働く自動車検査員を「みなし公務員」と定めている。 元代表は当時同社の検査員でもあり、収賄罪の対象になる。 捜査関係者によると、元代表は昨年7~10月、改造車5台の車検を通すために必要な整備や点検をせず、虚偽の保安基準適合証を作成。 これを基に車検証の交付を受け、所有者や仲介者から車検代に含まれる「技術料」や「点検料」などとして、現金計約13万円を受け取った疑いがある。 依頼があった車は、車高を下げ、排気音が大音量になるようにマフラーを改造したアウディやレクサス、保安基準を満たさない旧型ポルシェなどで、トラックに華美な装飾を施した「デコトラ」も含まれているという。 元代表は調べに対し、同社の検査員として約10年にわたり改造車の車検を通し、代金を受け取っていたと説明しているという。 府警は不正車検を通していることが口コミなどで広がり、車の所有者や業者らが繰り返し依頼していたとみている。 元代表はこれまでに、不正に車検を通したとして、道路運送車両法違反や電磁的公正証書原本不実記録・同供用などの疑いで逮捕、起訴されている。(宮坂知樹)

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