東芝グループの姫路東芝電子部品(姫路市網干区)から、半導体部品製造で使う金型の図面データを持ち出したとして、兵庫県警生活経済課と網干署などは22日、不正競争防止法違反(国外使用目的営業秘密取得など)の疑いで、元社員の男(57)=姫路市=ら3人を再逮捕した。 他に逮捕されたのは、中国籍で会社員の男(47)=同市=と無職の男(55)=兵庫県上郡町。2人は元社員の男の妻が代表取締役を務める金型関連のコンサルティング会社「シンセイハイテック」(同市)で取締役を務めていた。 3人の逮捕容疑は、姫路東芝-の社員だった男が2023年3月、半導体用リードフレームの製造に使う金型の図面データをシンセイ社の自身のメールアドレスに送り、このアドレスから中国の電子部品メーカーにデータを送信した疑い。同課は3人の認否を明らかにしていない。 同課によると、元社員の男らは姫路東芝-が発注予定だった部品に関する図面データを持ち出し、シンセイ社から中国企業に部品の製造を依頼。複数の会社を経由して姫路東芝-に納品させ、シンセイ社が中間手数料を取ることで利益を得ていた。逮捕容疑となった半導体部品に関しては納品されていなかったという。 同課は22年12月から23年10月までの間、同様の行為を繰り返し、同期間に計約700万円の中間手数料を得ていたとみている。 元社員の男ら3人は、姫路東芝-から光センサー部品の金型図面データを持ち出したとして、今月2日に同法違反で逮捕されていた。