偽造免許事件受け 大分県教委が教員人を緊急調査 不正なし確認

福岡県須恵町で、偽造した教員免許を町に提出した疑いで、66歳の男が逮捕された事件を受け、大分県教委は、県内200人あまりの教員を緊急調査しました。 偽造有印公文書行使の疑いで今月13日に逮捕された、須恵町の学校職員・近藤正仁容疑者(66)。 近藤容疑者は、町の中学校の学校補助教員になろうと、偽造した教員免許状を町役場に提出した疑いが持たれています。 この事件を受け、大分県教委は13日から、県内の市町村教委が採用した教員を緊急調査しました。 あわせて215人に上っています。 ■県教委教育人事課 田中秀昭課長補佐: 「市町村費負担の職員については、確実な免許有効かどうかの確認を出来ているのか改めて確認したいということで(実施した)」 23日朝、すべての調査を終えたということです。 逮捕された容疑者は、過去にも教員免許が失効した状態で、複数の学校に勤務していたことがわかっています。 教育委員会はなぜ、「偽造免許」に気付けないのか? また、今回大分県教委が行った調査の結果は。 改めて今回の事件を振り返ります。 逮捕されたのは、福岡県須恵町の学校職員・近藤正仁容疑者66歳です。 町の中学校の補助職員になろうと、偽造した中学校教諭1種免許を町役場に提出した疑いが持たれています。 過去には児童ポルノ禁止法違反の罪で有罪判決を受け、教員免許が失効したこと、別の場所でも偽造免許状を提出し逮捕されたことがあることもわかっています。 なぜ、このように偽造された免許状を見抜くことが出来ないのか。 考えられる理由について、県教委の教育人事課田中さんは、全国の都道府県教委が授与した教員免許情報を登録している文部科学省の教員免許管理システムを市町村教委が閲覧出来ないことが、要因のひとつではないかとしています。 どういうことかと言いますと、教員には県教委に採用されている人と市町村教委に採用されている人がいます。 県教委は、国の教員免許管理システムにアクセスできるので採用する人が本当に有効な教員免許を持っているか、確認することが出来ます。 しかし、市町村教委は閲覧することができません。 採用する際は、免許状の原本やコピーの提出で確認することになり、偽造が見ぬけないケースが出てくるということです。 そこで大分県教委は、市町村教委が採用している教員について緊急の調査を行いました。 各市町村教委に対して、教員免許の提出を求めて採用した人のリストアップを依頼。 情報が上がってきた215人の免許が有効かどうか、教員免許管理システムで確認しました。 24日朝にすべての調査が終わったそうです。 その結果、不正が疑われる人はいなかったということです。 ただし、このような状況で今後どう対策をしていくのか。 県教委の田中さんは「これまでも市町村には年度ごとに教員免許状の有効性を原本で確認してもらうようにしていた。これを徹底するよう求めたい」と話しています。

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