田辺桃子、横田真悠、林芽亜里がトリプル主演を務める「推しの殺人」(毎週木曜夜11:59-0:54、日本テレビ系／TVerにて配信)の第4話が10月23日に放送された。イズミ(林)が逮捕されるという衝撃描写から始まり、その真相を経て3人の結束はさらに強いものに。中でも覚悟を決めたイズミがかっこよかった。(以下、ネタバレを含みます) ■「このミス」大賞文庫グランプリ作品を実写化 同作は、2024年『このミステリーがすごい！』大賞文庫グランプリを受賞した、新進気鋭の作家・遠藤かたる氏による本格クライムノベルが原作。 主人公となるのは、大阪で活動する3人組アイドル「ベイビー★スターライト」、通称ベビスタのメンバー。田辺は流されるままアイドルになった頭脳派クール系の高宮ルイ、横田はアイドルで成功することに並々ならぬ意欲を持っている早川テルマ、林は恵まれた容姿で裕福な家庭で育つが孤独を抱える一番人気の沢北イズミを演じる。 さまざまなトラブルを抱える中、事務所の社長を殺してしまった彼女たちは、その罪を隠蔽しようとする。しかし、時を同じくして日本中を騒がせていた未解決連続殺人事件に巻き込まれていく。 ほかに、ベビスタの事務所社長の大学時代の先輩で、ルイと過去に付き合っていたマーケティング会社社長・河都を城田優、河都と同級生の弁護士・矢崎を増田貴久(NEWS)、未解決連続殺人事件を捜査するため大阪に来ている警視庁捜査一課の刑事・望月を曽田陵介、ベビスタのマネージャー・土井をトラウデン直美が演じる。 ■イズミが逮捕!? ルイの不安が爆発する… イズミの突然の逮捕。驚きの展開を迎えたが、実は「アイドルグループのセンターがいきなり逮捕されたら」というドッキリに仕掛けられたのだった。イズミもテルマもホッとするだけでなく、初めてのテレビ出演となることに喜んでさえいたが、ルイだけは違った。イズミが連行されるとなったとき、テルマが「なんでイズミだ…」と口走ってしまったからだ。ルイが止めずに「イズミ“だけ”」と最後まで言ってしまっていたら、疑われるかもしれない。 「あんなんじゃ、いざというとき、切り抜けられないから。注目を集めるってことが、どういうことなのか、自分たちの置かれている状況、分かってるよね。2人とももっと警戒して！」。 犯した罪の大きさを考えれば、ルイの不安からくる怒りも分からなくはない。そんなルイの元に河都から連絡が入った。ドッキリ番組にベビスタを推薦したのは自分だと明かし、さらに“行方不明”となっているルイたちの事務所の社長・羽浦(田村健太郎)に代わってベビスタのプロデュースをしたいと告げる。 ルイは「もうあなたには頼らないと決めたから」と断るが、河都は「ま、ちょっと考えてみてよ」と言って電話を切った。 ■イズミ「獲りにいこう、アイドルのてっぺん」 ルイの不安は、さらに高まっていく。羽浦の失踪を調べている調査会社の下谷(テイ龍進)が何者かに歩道橋から突き落とされ、その現場に落ちていた時計が羽浦のものだったこと。また、意識が戻らない下谷の病室に何か手がかりがないか調べに行ったとき、河都の妻・麗子(加藤ローサ)に「いろいろと聞いていますからね」と意味深な言葉を投げかけられたこと。さらに何者かにつけられていること。 そんな中、ルイがテルマとイズミに言えずにいた、羽浦の遺体が掘り返されていたことを打ち明けたことをきかっけに、いっそう結束が強まっていく。 イズミはドッキリをかけられたときのことを振り返り、「手錠をかけられたとき、気付いた。一生を犯罪者として生きていくことよりも、3人で一緒にアイドルできんくなることのほうがずっと怖いって。私、自分で思っている以上にベビスタのことが大切やったみたい」と語った。 羽浦と密かに付き合っていたイズミは、ルイとテルマを巻き込んでしまった。だからこその強い覚悟が芽生えたイズミ。「私ら3人なら絶対にうまくいく」「獲りにいこう、アイドルのてっぺん」との言葉どおり、ライブでのパフォーマンスも見違えるほどになった。罪という影を抱えながら、アイドルという光の世界を突き進む。視聴者からは「イズミ…かっこよくなって」「イズミちゃん強くなったな」「イズミちゃんが熱いこと言ってるのいいね」「イズミが覚醒した」と反響が寄せられた。 その後、ルイのあとをつけていたのがファンの久保(水間ロン)だと判明し、ルイはイズミの提案で望月に相談。望月と大阪府警警部補の坂本(坪倉由幸)が久保の部屋を訪れると久保に逃げられてしまうが、その部屋にルイたちの写真のほかに連続殺人事件被害者の写真が見つかった。 点と点が結びついてきた展開。原作にはない連続殺人事件が絡み合い、謎はますます混迷していく。ラストではテルマとイズミのためにも社会的に成功している河都のプロデュースを受けようと決めたルイが河都と会っている場面でカメラのシャッター音が鳴り響いた。麗子の意味深な言葉に続く不穏さも漂った。 ◆文＝ザテレビジョンドラマ部