55億円をだまし取り→何食わぬ顔でNHKのインタビューに対応…“地面師たち”はなぜ堂々とテレビの前に出てきたのか?

私たちが入手したスマホの動画。そこに映る女性は、不動産の所有者だと紹介され、ひと言、控えめなあいさつをする。「すみません、よろしくお願いします」。 これはドラマ化でも話題になった、あの“地面師たち”だ。8年前、東京・五反田の土地の所有者になりすまし、土地の売却をもちかける姿。ある不動産関係者が撮影していた。のちに、被害に遭うのは大手ハウスメーカー「積水ハウス」だった。55億5900万円がだまし取られる過去最大規模の地面師詐欺事件である。 警察は2年の捜査で、地面師グループ17人を逮捕。10人が起訴され、事件の捜査は終結した。こうした地面師詐欺事件を題材に、動画配信大手で2024年にドラマ化され、少数精鋭のグループが巧妙に、大企業をだます姿が話題になった。「もうええでしょう」は流行語にも選ばれた。 しかし今回、改めて取材を進めると、まだ地面師の一端しかとらえられていないことが分かってきた。我々にとってその深層はまだ未解明だ。初めてカメラの前で語られた地面師関係者や警察幹部の証言。そして、詐欺の内実を示す捜査情報や資料の数々。 NHK総合テレビで毎週土曜夜10時から放送中の新シリーズ『未解決事件』File.03では、「地面師詐欺事件」に迫る。(全2回の1回目/ 後編 に続く) ◆ ◆ ◆

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