警視庁は、実弾を発射でき殺傷能力のある拳銃を持っていたとして、千葉県袖ケ浦市に住む江原修容疑者(60)を逮捕しました。 捜査の発端は、警視庁によるサイバーパトロール。オークションサイトにおもちゃの拳銃を複数出品していたのを捜査員が発見します。そして、警視庁が家宅捜索したところ、モデルガンやおもちゃの拳銃34丁が見つかりました。このうち2丁が殺傷能力があったということです。 江原修容疑者 「海外の通販サイトで購入したおもちゃとして認識していたが、私の過去の知識と経験から違法なものではないかと不安に思っていた」 警察は、2022年から“おもちゃの拳銃”として出回っているなかで、「拳銃と同等の機能がある」と判断したものを、違法と認定し始めました。 エアガンの愛好家。 今年、新しい“おもちゃの拳銃”を入手しました。すぐに違法なものではないかと考え、警察に問い合わせ、回収に協力したそうです。ただ、拳銃の知識がない人が見分けるのは難しいと話します。 回収に協力した愛好家 「(妻が)あるゲームセンターの景品で、入手してプレゼントしてくれた。びっくりした。まさかクレーンゲームかと。100%防ぐ、みんなが触らないようにするのは難しいかもしれないが、『どうなんだろう』『心配』と思ったら、警察に確認してもらうのが一番」 サバイバルゲームなどで使われているエアガンと、問題の“拳銃”は構造が異なっています。 警察庁は、違法かどうかのポイントを銃身が貫通していることや、実弾が装てんできることなど3点を挙げています。つまり、“おもちゃの拳銃”は、本物の拳銃と構造がほとんど一緒です。 こうした拳銃は海外から日本に入り込んでいます。 今年7月には、中国製の『リアルギミックミニリボルバー』というおもちゃの拳銃も違法と認定。17種類に増えました。 別のエアガンの愛好家は、こう話します。 エアガン愛好家 「構造的には同じだが、安全対策のパーツが一切ない。これは正直、ダメなんじゃないか。危ないものという印象。危険な輸入品が流通することによって、国内でのエアガン・モデルガン全体のイメージが悪くなる。いたちごっこから脱却するために、輸入品に関して、規制は必要だと。マニア側も多くの人が考えている」 警視庁によりますと、違法な“おもちゃの拳銃は”、これまで全国では約1万5800丁が出回り、回収は3600丁ほど。警視庁は「見た目はおもちゃでも、実際には発射機能を持ち、誤射や犯罪転用の危険がある」として、回収に協力してほしいと呼びかけています。