殺人被害者遺族会メンバー「動機解明を」 26年前の名古屋主婦殺害

事件発生から約26年。名古屋市西区の主婦、高羽奈美子さん(当時32歳)を殺害したとして逮捕されたのは、高羽さんの夫、悟さん(69)の高校の同級生だった。安福久美子容疑者(69)=同市港区東海通5=が10月30日午後、捜査本部が置かれる愛知県警西署に出頭したことで、事件は大きく動き出した。 被害者の高羽奈美子さん(当時32歳)の夫、悟さん(69)は長らく、殺人事件被害者遺族の会「宙の会」のメンバーとして、殺人罪の公訴時効撤廃や遺族支援の拡充を求めて活動を続けてきた。 発生から四半世紀あまりを経て容疑者の女性(69)が殺人容疑で逮捕され、宙の会のメンバーは「遺族や警察の執念だ」と受け止め「(容疑者の)動機を解明してほしい」と願った。 会の特別参与で元警視庁成城署長の土田猛さんは「高羽(悟)さんは決して落ち込まず、いつか容疑者は捕まるんだというメッセージを発し続けてきた。(犯人のものとみられる)DNA型を保管してきたのも高羽さん。執念だと思う」と語った。高羽さんは事件現場となった当時の自宅アパートの部屋を事件後も借り続けてきた。 発生から26年となる11月13日には土田さんも名古屋へ行き、高羽さんと街頭で一緒に目撃情報の提供を呼び掛ける予定だった。「解決したので、行かなくなるだろう。それは会に所属する他の事件の遺族にとっても喜ばしい」 土田さんによると、遺族らは事件解決を願いながら、どこかで「無理なんじゃないか」「もう捕まらないのでは」という思いも抱えている。「(今回の逮捕で)別の事件でも捜査の進展に対する希望が持てる。警察も長きにわたって捜査をし、よくたどり着いてくれた」と話した。【菅健吾】

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