官製談合事件で決算不認定 新庁舎建設遅延も理由 長崎県佐々町議会、18年ぶり

定例北松佐々町議会(長崎県)は31日、最終本会議を開き、元町長らの有罪判決が確定した官製談合事件の舞台となった公共工事が含まれる2024年度の一般会計歳入歳出決算を不認定とした。町によると、決算不認定は2007年以来18年ぶり。 本会議で、永田勝美決算審査特別委員長は「(認定すれば)町民の信頼を損なった官製談合の違法行為を事実上追認することになり、議会の監視機能を果たしていると言えない」と不認定の理由を説明。再発防止策についても「実効性が未知数で検証も十分と言えない」と指摘した。 不認定の理由には新庁舎建設工事が遅れたことに伴う追加支出問題も挙げた。新庁舎は23年3月に着手したが設計業者と施工業者の連携不足などが原因で完成時期を二度延期した。永田委員長は追加支出の調査と説明も「不十分」とした。 討論では賛成議員が「いつまでも過去の問題に足を引っ張られてはいけない」と主張したが、反対議員から「新庁舎建設の遅延に伴う支出に関して具体的な説明が必要」などの意見が出て、賛成1、反対7で不認定とした。1人は退席した。 浜野亘町長は採決後「決算認定は刑事政治責任をあらためて追及する場ではない。会計処理の適法性審査と個人の刑事責任は混同すべきではない」との見解を示した。 官製談合事件を巡っては、町発注の町営団地給水管改修工事と図書館照明工事の指名競争入札で、古庄剛元町長が最低制限価格に近い金額を業者に漏えい。古庄元町長ら計4人が3月、官製談合防止法違反(入札妨害)などの疑いで逮捕され、その後、有罪判決が確定した。

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