全国一斉の指名手配容疑者捜査強化月間(11月)を前に大分県警は10月31日、県内の駅や商業施設など17カ所で重大事件の情報提供を呼びかけた。2022年に別府市で大学生2人をひき逃げしたとして重要指名手配されている八田與一容疑者(29)のチラシを通行人らに配布した。 JR別府駅では別府署員ら約20人が街頭に立った。顔写真が中央に大きく載ったチラシとポケットティッシュを駅利用者に手渡し、「協力をお願いします」と声をかけた。 事件は22年6月29日午後7時45分ごろ、同市野口原の県道交差点で起きた。容疑者の軽乗用車が信号停止中のバイク2台に追突し、ミニバイクの男子学生=当時(19)=が死亡、オートバイの男性(23)が軽傷を負った。容疑者は車を放置し逃げた。 県警は事件後、容疑者を全国に公開手配。今年6月2日、「殺意を立証できる」として、殺人と殺人未遂容疑でも逮捕状を取った。 県警によると、9月末時点で1万1292件の情報が集まっている。目撃情報は県内からが約640件、県外が約9千件。関東が3990件で最も多いという。解決につながる情報提供者には最高800万円の懸賞金がある。 捜査1課の松尾茂郎次席(50)は「容疑者は身近にいるかもしれない。ささいなことでもいいので、情報を寄せてもらいたい」と話した。 情報提供は別府署(0977-21-2131)。