傷害疑い教諭逮捕 桜川市教委「生徒におわび」 処分見直し検討 茨城

茨城県桜川市の義務教育学校で剣道部の練習中に男子生徒にけがを負わせたとして、教諭の男(37)が傷害容疑で逮捕された事件で、市教委は5日、市内で記者会見を開いた。稲川善成教育長は「被害生徒や家族、関係者の皆さまにおわびする。子どもの安全安心に暮らす教育環境を整備できず申し訳ない」と謝罪した。捜査の進展を踏まえ、教諭への処分を見直す可能性も示した。 教諭の男は2023年10月19日、顧問を務めていた剣道部の練習中、一対一の「掛かり稽古」で生徒を突き飛ばし、脳脊髄液漏出症の重傷を負わせたとして、10月28日に逮捕された。県警の調べに対し「指導の一環だった」と容疑を一部否認している。 市教委は24年9月、県教委の助言に従い、教諭を文書訓告処分とした。会見では生徒に直接聞き取りを行わなかった理由について、学校を通して被害生徒や家族に依頼したが「かなわなかった」と説明。一度だけ校長が聴取したものの、雑談後に部活の話題に触れると「怖い」と答えたため聞けなかったという。 掛かり稽古中に男子生徒は少なくとも2回倒れたとの認識を示した。午後4時半からの5分間で背中から倒れ、休憩を挟んだ同40分からの5分間に再び倒れたとした。事態を受け、スクールカウンセラーを配置したところ、数人の生徒が相談に訪れたという。 稲川教育長は一連の判断は適切だったとしつつ、「(処分については)捜査の状況を見ながら見直すよう検討していきたい」と述べた。会見後には、市教委が24年3月の時点で、男子生徒に脳脊髄液漏出症の症状があると把握していたことも明らかにした。 これまでに複数の学校関係者に対する茨城新聞の取材では、掛かり稽古が数十分に及んだことや、教諭の男が臨時の集会で「感情のままにやってしまった。申し訳ない」と謝罪したことなどが判明している。

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