英国人ボクサーのロス・キッチンがトルコ・イスタブールで乗車したタクシー運転手を暴行したとして同国で最長33年の懲役刑に直面している。事件を報じた米英メディアによると、4月14日、トルコ・イスタンブール空港から市内までタクシーに乗車した際、キッチンは56歳の運転手のカディル・ビチェルさんをいきなり襲撃。運転手は病院に搬送され、一時的に集中治療室に入るほどの重傷を負ったという。 報道によると、キッチンは後部座席から身を乗り出し、片腕で運転手を裸絞めし、片手で顔面を攻撃。タクシーが停車後、2人は道の路肩に転がり落ち、車の横で組み合った。別のタクシー運転手が路肩に倒れていたビチェルさんを発見。通報したことで事件が発覚した。一連の映像もドライブレコーダーに保存されている。また運転手は「顔の一部がまひし、片目が見えない。動きも制限され、夜は叫びながら目覚める。正義を求めます」と後遺症について語っており、聴取で暴行を受けている間に現金も盗まれたと話している。 逮捕されたキッチン本人は「トルコに来る前から体調が悪かった。誘拐されたと思ったので襲った」と主張したものの、検察側からは暴行内容を踏まえて厳しく追及され「凶悪な感情を伴い、骨折を伴う加重故意障害」「加重強盗」の罪で起訴。イスタンブールのチャグラヤン裁判所の法廷で検察側は「恐ろしい暴行だ」と主張し、最長33年の懲役を求刑している。裁判所も公判終了まで勾留を続けることを命じたという。