知床観光船沈没、社長争う姿勢 業過致死罪の初公判、釧路地裁

北海道・知床半島沖で2022年4月、乗客乗員計26人が死亡、行方不明となった観光船沈没事故で、業務上過失致死罪に問われた運航会社社長桂田精一被告(62)は12日、釧路地裁(水越壮夫裁判長)の初公判で「罪が成立するかどうか分からないので法律家の判断に従う」と述べた。弁護人は「被告は沈没を予見することはできなかった」として起訴内容を否認し、無罪を主張した。 公判では事故発生の危険を予見できたかどうかが争点となる。判決は来年6月17日。 事故は22年4月23日発生。知床遊覧船(斜里町)が運航する観光船「KAZU 1(カズワン)」が半島西側の「カシュニの滝」沖で沈没した。第1管区海上保安本部(小樽)は24年9月、桂田被告を逮捕。釧路地検が行方不明の6人も含め26人全員を死亡させたとして翌10月に起訴した。 起訴状によると、悪天候が予想され、事故が発生する恐れがあるため、船長に出航や航行継続の中止を指示し、危険を未然に防ぐ注意義務があったのに怠り、過失で船を沈没させ、乗客と乗員を死亡させたとしている。

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