カンボジアで「国家まるごと乗っ取り」中華詐欺グループに国際制裁…“習近平政権とズブズブ”な38歳経営者の謎めいた正体

現在、国際的に大問題になっている太子集団(プリンス・グループ)という中国系の大財閥をご存じだろうか。カンボジアは2010年代に入ってから中国人の進出が激しく、外部の目には国がなかば乗っ取られているようにさえ見えるのだが、そんな「中国による国家乗っ取り」を象徴する存在が太子集団だ。 彼らはわずか10年前にカンボジアに登場した不動産コングロマリットで、いまや「カンボジアでは5本の指に入る大企業」(現地在住者)。事実、銀行、高級ホテル、カジノ、航空会社、ショッピングモール、ビール酒造、在住中国人向けフードデリバリーアプリ……と、傘下の企業も含めるとその業務内容は多岐に及ぶ。 経営者は福建省連江県出身の陳(チェン)志(ヂー)(ヴィンセント・チェン)という38歳の青年だ。カンボジア国籍の中国人(バヌアツ、キプロスなど他にも複数国の国籍を保有)で、同国の独裁者フン・セン上院議長や、その息子のフン・マネット現首相の顧問。さらにカンボジア王国の公爵位を得ているというVIPである。 かねてより陳志については、サメをペットにしていたりプライベート・ジェットやピカソの絵画を保有していたりと、漫画に出てくる大富豪さながらの暮らしが伝えられてきた。だが、若くしての成功の理由と資金源はながらく謎であった──。ところが、今年10月から「答え合わせ」が進んでいる。

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