福岡県八女市で今月2日、原付きバイクで信号無視した疑いで現行犯逮捕された会社員の少年(16)が手錠をつけたまま一時逃走した事案で、八女署は13日、この少年と、16歳の無職少年=いずれも八女市=を公務執行妨害と器物損壊容疑で再逮捕し、発表した。 八女署によると、再逮捕容疑は1日深夜、同市大島の交差点で、赤信号で停止していた巡回中のパトカーのボンネットを棒状のものでたたき、警察官の職務執行を妨げ、ボンネットを傷つけたというもの。2人は「調子に乗ってやった」と容疑を認めているという。 少年らは原付きバイクに2人乗りをした状態で、対向車線からパトカーに接近。後部座席にいた少年がのぼり旗用の棒を手にしていたという。 この約30分後、署員は少年のうち1人を道路交通法違反(信号無視)容疑で現行犯逮捕した。 だが現場周辺では当時、暴走行為をほのめかす趣旨のSNS投稿をきっかけに約100人のギャラリーが集まっていたとみられ、うち十数人が署員を取り囲んだ。 少年はその隙に、手錠を両手にかけられた状態で逃走したという。 約17時間半後に市内で少年を発見し、同法違反容疑で再び逮捕したが、発見時に手錠はしていなかったという。 手錠は13日現在まだ見つかっておらず、署が捜索している。手錠に関する少年らの供述については「捜査に支障が出るので明らかにできない」としている。 少年に手錠をかけた警察官は県警に「(手錠は)しっかりかけたと思う」という趣旨の説明をしているという。(根元紀理子)