中国籍の従業員に在留資格外の仕事をさせたとして、神奈川県警は18日、千葉県船橋市の金属リサイクル会社「ナンセイスチール」社長、リウ・グオリー容疑者(59)=千葉県市川市塩焼=を出入国管理法違反(不法就労助長)の疑いで逮捕し、発表した。逮捕容疑について「法律に詳しくないので、弁護士に聞いてから話す」と話しているという。 捜査3課によると、リウ容疑者は2023年4月~25年7月、同社相模原工場で、「特定技能1号」の在留資格をもつ中国籍の従業員の男(46)を、資格外の工場長として働かせた疑いがある。 工場長らは、電線ケーブルを「盗品かもしれない」と思いながら買い取った盗品等有償譲り受けや、出入国管理法違反(資格外活動)の疑いで逮捕、起訴されている。県警は、同社がほかにも中国から呼び寄せた100人以上の従業員に資格外活動をさせていた可能性があるとみて、裏付けを進めている。同社は朝日新聞の取材に「事実関係を確認中」と回答した。 ■同社の盗品買い取り、約1千件を確認 信用情報調査会社によると、同社は全国に事業所や工場を構え、24年6月期の売上高は約587億円。銅や鉄の価格高騰を背景に売り上げを伸ばしていた。 一方、県警によると、同社による盗品の金属くず類の買い取りは少なくとも約1千件確認されているといい、警察が繰り返し対策を求めていた。(稲葉有紗、奥田薫子)