【中野タワマン殺人・後編】「まだずっと彼が好き」恋人をハサミで刺し殺した女が主張した”無罪”

東京都中野区のタワーマンションの一室で、交際相手である公認会計士の男性Aさんの首にハサミを刺して死亡させたとして、傷害致死罪に問われた佐藤琴美被告(26)の被告人質問が11月12日に行われた。 起訴状によると佐藤被告は’24年9月16日、中野区のマンションで当時交際関係にあったAさんの左頸部にハサミを突き刺し、死亡させた疑いが持たれている。初公判で佐藤被告は、 「私が彼にハサミを刺したということはありません」 と無罪を主張していた。 この日の被告人質問では、佐藤被告の口から事件当日の詳細な状況が語られた。弁護人から今回の事件についてどう思っているのか改めて問われると、数秒間の沈黙の後に、 「彼に対して取り返しのつかないことをして大変申し訳なく思います」 と涙を流した。 この日、あらためて佐藤被告の口から自らの経歴が語られた。 山口県に生まれ育った佐藤被告は高等専門学校を卒業後、’19年に就職のため上京。しかし1年で退職し、大学進学を目指して予備校に通うも、コロナ禍でリモート授業となり挫折。飲食店や不動産屋のアルバイトで食いつなぎながらギリギリの生活をし、ストレスを溜め込むようになる。 そんな時にTikTokライブでホストと知り合い、ホストクラブ通いを始めた。ホストから、 「おカネを使ってくれないと掃除組になって会えなくなる」「もっとおカネを使ってくれないと(他のホストに)勝てない」などと煽られ、借金を重ねていった。通うペースも週1回から3、4回と増え、売掛金はどんどん膨れあがっていった。 売掛金を払えなくなるとホストは豹変。「オマエはやるしかないんだよ」と言われデリバリーヘルスで働かされた。 母親にうそをつき、おカネを借り返済に充てたが、それでも借金は増え続けた。母親にホストに借金があることを正直に伝え、母親と祖父に助けてもらい6000万円を払ったがそれでも「全額は払えなかった」という。 同居していたホストから「人生を終わらせてやる」と言われ壁に何度も頭を打ち付けられ、顔が血だらけになったこともあった。

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