東京・足立区の商業施設で女性にカラースプレーを噴きかけ、暴行と器物損壊の罪に問われている根岸秀男被告(61=逮捕時)の初公判が11月6日、東京地裁で開かれた。そこで、被告の口から語られたのは呆れた犯行動機だった──。 起訴内容によると、根岸被告は30代の女性を追いかけながらカラースプレーを噴きかけ、女性の衣服を汚した疑いが持たれている。 虚(うつ)ろな表情で入廷した根岸被告。満席の傍聴席に少し驚いたような表情を見せる場面もあったが、起訴内容について裁判官から「間違いはありますか?」と問われると「間違いありません」と早口で答えた。 「根岸被告は逮捕時、 『借金や病気などがあり、死んでもいいと思っていた。刑務所に入れば食べていけると思い、今年の2月から事件を起こそうとスプレーとナイフを持ち歩いていた』 『浅草や秋葉原などを歩き、自分よりも弱そうな人がいないか探していた』 『スプレーで目を潰してからナイフで刺そうと思った』 などと供述。商業施設の防犯カメラには根岸被告が女性を執拗に追いかけて、カラースプレーを噴射する様子が映っていました。女性と根岸被告には面識はなく、通り魔的犯行でした」(捜査関係者) 根岸被告は中学を卒業後、工場に勤務し、35歳から写真スタジオのカメラマンとして稼働。ビジュアル系バンド『アンチフェミニズム』のボーカリストで、『ザ・デッド・ポップ・スターズ』(dps)のドラマーのKENZIの専属カメラマンを務めていた。評判は悪くなかったという。 その後は清掃員として働くなど職と転々とし、逮捕前は酒販店に勤務していた。