競合他社の寄付金額参考か 東大病院汚職で贈賄メーカー側 警視庁

東大病院の医療機器選定を巡る汚職事件で、贈賄側の医療機器メーカー「日本エム・ディ・エム」(東京都新宿区)の営業所が、同病院の医師松原全宏容疑者(53)への奨学寄付金の額を決める際、事前に競合他社の寄付金額を参考にしていたことが20日、捜査関係者への取材で分かった。 警視庁捜査2課は、自社製品を売り込むため、同社が寄付金を活用しようとしたとみて調べている。 同課によると、同容疑者は2016年12月~23年1月、同社を含む5社から奨学寄付金計約300万円を受け取り、うち少なくとも約150万円をパソコン購入など私的に流用したとみられる。 捜査関係者によると、同社の営業所内では、事前に競合他社の同病院への奨学寄付金額を調べた上で、自社の寄付額を決定していたという。 同社は19年春ごろに営業活動を始め、その後、同容疑者に寄付を提案。同容疑者は同年9月、それまで使用されていなかった同社製品の登録を病院に申請し、2カ月後に登録された。 同容疑者は21年9月と23年1月ごろ、同社の医療機器を優先的に使用するなどの便宜を図る見返りに、2回にわたり奨学寄付金計80万円を振り込ませ、賄賂として計約70万円を受け取ったとして逮捕された。

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