ケバブ店のドアを破壊する事件を起こした歌舞伎俳優の中村鶴松(30)が謹慎し、「初代中村舞鶴」襲名を見送られることが21日、発表された。泥酔した上でのひと蹴りで自身の晴れ舞台まで壊してしまったが、〝兄貴分〟から救いの手を差し伸べられている。 鶴松の所属事務所はこの日、本人を当面の間、謹慎させるとした。 松竹も同日、鶴松が2月1~26日に東京・歌舞伎座で上演される「猿若祭二月大歌舞伎」を休演するとした。これにより予定されていた舞鶴の襲名見送りが決定。鶴松の代役は、中村勘九郎(44)と中村七之助(42)の兄弟が務める。 鶴松は18日未明、東京・台東区のケバブ店の出入り口ドアを蹴り壊したとして建造物損壊の疑いで警視庁蔵前署に逮捕されたことが19日、明らかになった。事務所のこの日の発表によると、本人は当時、泥酔し、注文時の勘違いでトラブルになってドアを蹴破ったという。 鶴松は一般家庭から歌舞伎界に飛び込んだ。故・中村勘三郎さん(享年57)の長男勘九郎、次男七之助がけん引する中村屋一門のホープとして成長し、その経歴からヒット映画「国宝」の主人公になぞらえて〝リアル国宝〟と称されたが、ドアへのひと蹴りで晴れの舞台までを台なしにしてしまった。 鶴松が昨年12月、インスタグラムで「中村舞鶴という新たな名前は勘九郎、七之助の兄たちが心を込めて考えてくださいました、私には身に余る、素敵なお名前でございます」(原文ママ)と明かしたことを踏まえ、梨園関係者はこう語る。 「鶴松さんは勘九郎さん、七之助さんに泥を塗ってしまった上、自身の代役も2人が務めることになった。謹慎中は関係各所に謝罪行脚することになるのでは」 もっとも意気消沈する鶴松を叱り、励ましているのもまた、勘九郎と七之助だという。特に七之助はその思いが強いとされる。 七之助は2005年、泥酔してタクシーに無賃乗車し、通報で駆け付けた警察官に対して暴れて公務執行妨害の疑いで逮捕され、3か月謹慎した苦い過去がある。妻の杏奈さんとの披露宴を行った昨年、鶴松に対し、「俺みたいなことを起こすなよ」などと助言していたというが、〝兄貴分〟の心配が現実になってしまった。 「七之助さんは自身の事件でバッシングに遭ったけど、反省を糧に歌舞伎に取り組んだからこそ、今の人気がある。鶴松さんにも特別な思いで接しているとか」(前出関係者) 鶴松は2人の〝兄〟に報いるためにも正真正銘の〝リアル国宝〟になるよう努力するしかない。