2025年6月、兵庫県尼崎市議選挙での街頭演説中に抗議した市民団体の男性を取り押さえ、負傷させたとして、兵庫県警が11月、逮捕致傷容疑で政治団体「NHKから国民を守る党」党首・立花孝志被告(58・別の事件で起訴後勾留中)と党員の男ら2人を書類送検していたことが、被害者男性の代理人弁護士への取材でわかった。書類送検は11月28日付。 立花被告の送検容疑は6月14日、同県尼崎市の阪急電鉄・塚口駅前で、市議選に立候補していたNHK党公認候補を選挙カーに上がって応援演説していた際、抗議した男性を指さし、「妨害やな。誰か私人逮捕して」と指示。党員の男2人が男性の身体を拘束し、首の近くに腕をかけて締め上げるなどした疑い。男性は頸椎(首)を捻挫した。 兵庫県警は立花被告から指示されて男性を取り押さえた男2人も同容疑で書類送検した。兵庫県警は3人の認否や処分意見は明らかにしていない。 男性の代理人・石森雄一郎弁護士によると、男性は当初、兵庫県警・尼崎北署に被害届を出していたが、暴力的で危険性の高い事案だったことから9月に刑事告訴に切り替えたという。 刑事訴訟法は逮捕状がなくても一般人による現行犯逮捕を認めており、「私人逮捕」や「常人逮捕」と呼ばれる。 立花被告は、兵庫県の内部告発文書問題を追及していた元県議(2025年1月死亡)に関するデマをSNSで拡散したとして11月9日に名誉毀損容疑で逮捕、28日に同罪で起訴された。